人と人、人と地球のためのデザイン。成熟した社会における良いデザインとは、外見の美しさのみならず、環境・資材・製造・販売・物流・実用等、多分野のバランスに配慮した結果生まれる誠実な表現であると考えます。

経済や社会がグローバル化した結果、地産地消の図式が無くなり、物事の成立ちを把握することが難しくなりました。しかし、その様な状況下にありつつも、古今変わらず全ての製品や空間は、職人・商人・ユーザーなど非常に多くの人々の集大成であり、関係する各者が共に充実すべきだと思っています。

資本主義社会において、一見してコストパフォーマンスの高い勢品が注目を集めがちです。ただ、それのみでは画一的になり、多様性の豊かさを感じ難い状態に陥りがちです。歴史やその土地土地の伝統文化とモダン(今)を融合させることにより、更に深みのある豊かさを感じることが出来ると考えております。

その多様性による豊かさを実現する上でも、一連の活動が環境に優しいことにより初めて長年持続可能な活動となります。デザインは各分野のバランスを取ることができる仕事の一つであり、私はデザイナーとして、総体的な視点をテーマに製品や空間を考え、後世へ伝承しうる魅力的なデザインを提案することを目指しています。